様々な投資商品が売られている昨今、投資初心者にとって最も手間がかからず効率の良い投資方法はどこなのでしょうか。
こちらの書籍に、その答えがありました。
【全面改訂 ほったらかし投資術】
インデックス投資について知っておいた方がいい知識は全て、この本に書いてあります。
投資を始める前にまず1冊。
そして既に投資をしている方にも、復習を兼ねて読むこともおすすめします。
こちらの記事では、投資歴2年目の私が特に重要と思った部分について抜粋して本書をご紹介します。
記事内では用語説明などを交えて進めますので、投資のことはあまりわからない…という方でもスラスラ読めると思います。
それでは、【インデックス投資とは何か】からご説明していきましょう。
インデックス運用とは
本書でも触れられていますが、【インデックス運用】がどんな投資なのかはしっかり理解する必要があります。
本書の内容の他に、用語説明などを加えてご説明します。
インデックス運用とは、株価指数への連動を目指す投資の運用方法です。

株価指数とは?
株価指数とは、株価の動きを表すものです。
有名な株価指数ですと、TOPIXや日経平均、NYダウ、S&P500等々です。
一度はニュースで聞いたことがあるのではないでしょうか。
1つの株価指数には、様々な会社(銘柄)で構成されています。
株価指数=会社の詰め合わせ、みたいな感じです。
例えばTOPIX(日本の株価指数)ですと、こんな感じ。
- トヨタ自動車
- ソニー
- ソフトバンク
- 任天堂
- リクルートホールディングス 等々…
S &P500(アメリカの株価指数)ですと、こんな感じ。
- アップル
- マイクロソフト
- アマゾン・ドット・コム
- テスラ
- アルファベット(Google)等々…
これらのような指数に連動を目指すことで、小額でも幅広い銘柄に分散させて投資することが可能なのです。
これを、インデックス運用といいます。
インデックス運用をするには、
【インデックスファンド】と呼ばれる投資信託に投資します。
インデックス運用のメリット3つ
ここからは、インデックス運用のメリット3つと、デメリットもご紹介していきましょう。
書籍から抜粋してご説明します。
メリット3つはこちら。
- 手数料コストが安い
- 分かりやすい
- 負けにくい
デメリットはこちら。
- お金を増やすのに時間がかかる
- 退屈
- ダメ企業にも投資してしまう
1. 手数料コストが安い
インデックス運用は、アクティブ運用商品と比較すると圧倒的にコストが安いのです。

アクティブ運用商品とは?
アクティブ運用商品とは、指数を上回る成果をめざすことを目的とした運用方法です。
インデックス運用のように株価指数に連動するのではなく、ファンドマネジャーと呼ばれる【人】が、銘柄選定・構成をします。
手動で銘柄構成をする、というイメージですね。
アクティブ運用商品は人が銘柄を選定するため、どうしても人件費がかかります。
ここが、インデックス運用商品との大きな違いです。
手数料に、大きな差が出るのです。
インデックス運用商品の手数料は、販売手数料ゼロ(ノーロード)で信託報酬年率0.5%前後。
一方でアクティブ運用商品の手数料は、販売手数料が2-3%で信託報酬1.5%を超えるものも。
差は歴然ですね。
インデックス運用なら、コストをできる限り抑えて自分の資産を守ること・育てることに専念できます。
2. 分かりやすい
運用に手間と時間をかけることができない個人投資家にとって、インデックス運用は複数の意味で【分かりやすい】ことが長所の1つです。
分かりやすさその1は、株価指数の過去の変動を見ることで、自分が投資をしているポートフォリオが持つリスクやリターンの特性を把握することができるのです。
対してアクティブ運用は、人が銘柄選定・構成を行うので、同じ運用者であっても方針が変わることがあります。そうなれば、過去のデータを参考にすることが難しいですね。
分かりやすさその2は、現状把握が簡単にできる点です。
株価指数の変動を見ていれば、自分の投資資金や運用パフォーマンスをほぼ正確にかつ同時期に把握することができます。
分かりやすさその3は、資産配分(アセットアロケーション)との整合性が取りやすい点です。
要は、一度自分の資産を配分すれば、お手入れがあまり必要ないということです。
管理がしやすいインデックス運用は、機関投資家にも合理的な運用方法です。
時間や知識があまりない、そして手間をかけたくない個人投資家にとってもインデックス運用の優位性が明らかですね。
3. 負けにくい
目標とする指数にもよりますが、S&P500やTOPIXなどはアクティブ運用の平均に明らかに負けにくい指数、と本書は語ります。
その理由は、手数料と関係します。
アクティブ運用とインデックス運用では、手数料が雲泥の差です。
どんなにアクティブ運用が利益を出したとしても、手数料で大幅に持っていかれてしまいます。
手数料負け状態ですね。
そして覚えておいてほしいことが、【アクティブ運用が勝ち続けることは無理】ということです。
本記事内では省きますが、本書ではアクティブ運用が勝ち続けることができない理由について詳しく解説しています。
デメリットも少々
デメリットも共有しておきましょう。
デメリットその1は、お金を増やすのに時間がかかることです。
インデックス運用の期待リターンは、せいぜい年率+数%。
短時間で5倍、10倍ともなる夢の運用方法ではありません。
20年、30年と時間をかけてゆっくり育てていくものです。
デメリットその2は、退屈という点です。
インデックス運用は非常に地味で退屈な投資方法です。
投資にワクワク感やドキドキ感を求める人にとってインデックス運用は退屈に思えるでしょう。
逆に、投資に手間や時間をかけたくない・家族や仕事・趣味の時間を楽しみたい人にとってはピッタリです。
デメリットその3は、ダメ企業にも投資してしまうということです。
インデックス運用とは、指数に連動を目指す運用方法でしたよね。
会社の詰め合わせは選べるけど、中身を1つ1つ選ぶことはできません。
自分で銘柄を選べないのです。
そのため微小ながらも、ダメ企業の株式も自動的に買ってしまうのです。
ネット証券一択
インデックス投資に欠かせないのが、【ネット証券】です。
投資を始めるにあたり、証券口座は必要不可欠。
本書ではネット証券を強くおすすめしています。
その理由は、手数料の安さです。
ネットなので、人件費が一切かかりません。
余計なコストは払いたくありませんよね。
もう一つの理由が、セールスマンと話さなくていいことです。
彼らは「最初から検討に値しないような商品」をセールストークと影響力で次々と勧めてきます。
絶対に近づかないようにしましょう。
これらを踏まえて、一番安全なネット証券がおすすめなのです。
本書がおすすめしているネット証券口座は、こちら。
- SBI証券
- 楽天証券
- マネックス証券
ちなみに我が家は、SBI証券一択です。
お金の運用プロセス
それでは最後に、お金の運用プロセスをサラッと解説しましょう。
本書を読むことでもっと詳しい情報を得ることができますが、こちらの記事では重要な部分・必須知識を共有します。
生活防衛資金を確保
まず家計の状況(資産と負債)を把握して、自分がどの程度の資金があるのかを計算しましょう。
さらに将来の収入と支出の予測も、可能な範囲で確認します。
目的は、どの程度のリスクをとることができるのかを把握するためです。
そして、資産から生活防衛資金を確保します。
この額は、自分の生活基準や住んでいる場所、配偶者の有無・子供の有無などによって大きく変わってきます。
生活防衛資金の考え方は、著者の山崎さんと水瀬さんでも意見が異なっています。
実際に本書を読んで、あなたが納得のいく額を決めるのが最適でしょう。
運用資金を2つに分ける
運用資金がきまったら、無リスク資産とリスク資産に分けます。
無リスク資産とは、国内債券や現金のことを指します。
リスク資産とは、国内株式や外国株式のことを指します。
リスク資産の配分は、大まかに国内・外国の半々がおすすめされています。
商品の選択基準は、やはり【最も手数料の安いもの】。
詳しい配分の仕方は、こちらの動画で解説されていましたのでご参考に。
こちらのチャンネルでは、お金にまつわる知識や情報が分かりやすく解説されています。
私も視聴中です♩
DCとNISAの活用
DCとNISAは最大限活用するべき、と本書は語ります。
DCとNISAの口座で運用するインデックス・ETFは、分配金・値上がり益などの運用益に税金が課せられないからです。
現在20.315%の税金がかかるところ、DCとNISAの口座ではゼロなのです。
例えば100万円の利益が出たとしたら自分の利益は約80万円、20万円は税金として引かれてしまいます。
ですが、DCとNISAの口座で運用して100万円の利益が出た場合、利益の全額100万円が自分の利益になるのです。
80万円と100万円では大きな違いですから、とてつもないメリットですね。
DCとは、iDeCoや企業型確定拠出年金とも言い、年金制度の1つです。
自分で作る年金という感じですね。将来の年金を今からインデックス投資で活用しようという話です。しかも拠出時の掛金が、全額所得控除になるのです。
年金なので、受け取りは原則60歳以降になります。
NISAとは、日本に住む20歳以上の人であれば誰でも利用できます。
そして、いつでも売却・換金が可能です。
NISAには3種類あり、NISA・積立NISA・ジュニアNISA(18歳まで)があり、それぞれ特徴や運用できる金額が違います。
ちなみに我が家では、SBI証券で積立NISAとジュニアNISAを活用しています。
主人と私は積立NISA、息子はジュニアNISAです。
ジュニアNISAは2023年に廃止が決定していますが、お子さんがいて資金に余裕があるご家庭は検討する価値大です。
DCもNISAも、制度がコロコロ変わりやすいので注意が必要です。
これらの制度がどんどん進化していく背景には、政府からのメッセージが込められていると本書は語ります。
公的な年金の縮小や高齢化社会、労働問題など様々な要因が考えられますが、自分の老後は自分で備えていきましょう。
その手段として、このような制度をしっかり勉強して上手に活用するべきです。
まとめ|一度は読むべき良書
今回は、【全面改訂 ほったらかし投資術】についてご紹介しました。
本書では、記事内で紹介しきれなかった具体的な投資先やETFについても触れられています。
この記事を読んで少しでも興味が出たり、もっと詳しい情報を得たいと思った方は、ぜひ手にとってみてください。
投資初心者なら新しい発見が、そして既に投資をやっている方であれば頭が整理されますよ。
私は投資歴2年目ですが、新しい発見と復習になりました。
何度も読んで、知識の整理にも役に立ちましたね。
お金の不安から解消される第一歩として、
投資について学ぶところから始めることをおすすめします。
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